ケファンダへの緑の道 [ダンナの部屋]
イギリスの女流作家ルース・レンデルの「女ともだち」っていう
推理短編集を10年以上も前に読みました。
その中の最後にのっていたのが「ケファンダへの緑の道」ってタイトルの話です。
よくは(というかほとんど)覚えていないんだけど、公園の草むらをかき分けていくと
かくれた秘密の小道があって、その道が主人公の友人の想いとつながっていて
友人が死んだときにその道もあとかたもなく消えたとかいう話だったと思います。
僕がその本の話を妻にしてから、妻が図書館でその本を借りてきて読みました。
我が家ではそれ以来、町中にある、細くて車が通れないような
人気がない小道を「ケファンダへの緑の道」と呼んでます。
散歩とかしていて、そういう道を見つけると「ケファンダる?」とか言って
ちょっとした探検気分で浮かれながらその道を進みます。
そして僕はちょっとノスタルジックな気持ちに浸ります。
小学生の頃に住んでた町には家と家の間で壁に挟まれて水が流れているところがあって、
その水が流れる小道を壁からわずかに突き出したコンクリートに足を乗せながら、どんどん
奥まで進んでいった記憶があります。そのときはすごくワクワクして
「この道はどこに向かっているのだろう?」って思いながら、歩いていったんだよなぁ。
結局、となりの大きい道路までくらいのもんなんだけど。
そんなスタンドバイミーみたいな想いが残っているからかどうか、
そんな道に出会うと今でもちょっと、昔を思い出す感傷的な気分になります。
なかなかうまく言えないけど、僕の定義では
「ケファンダへの緑の道」は全く自然の道でも、都会の路地でもなく、
住宅街にあって、普段は見過ごしがちな、木とか茂ってそうな道です。(細かい!)
そんな道の前に立つと吸い込まれそうな不思議な感覚に襲われます。
そういうノスタルジックな感覚と「ケファンダへの緑の道」って響きが妙に
符合する気がして、この言葉の語感自体に惹きつけられてしまいます。
不思議な言葉だよなー。
しかしケファンダって何なんだろう?地名なのかな?